飛鳥寺(安居院)について

奈良県明日香村にある真言宗豊山派寺院。元々は飛鳥時代の豪族・蘇我氏の氏寺で、日本最古の本格的仏教寺院である「法興寺」が前身。

【日本最古のお寺】

法興寺は6世紀末から7世紀初頭に創建された寺院で、開基は蘇我馬子。馬子は飛鳥時代の政治家で、蘇我氏の全盛期を築いた人物である。蘇我氏は飛鳥時代の有力豪族で、仏教が伝来した際にこれをいち早く取り入れた「崇仏派」でもある。同じく有力豪族のひとつであった物部氏は「排仏派」とされており、両氏は対立していた。馬子は物部守屋との戦いの勝利を祈願して、飛鳥の地に寺を建てることにしたという。これが法興寺である。当初の伽藍は、五重塔の周りを中金堂・東金堂・西金堂が囲んで立つ一塔三金堂式で、寺院の中心を塔に据えていた高句麗の形式を踏襲した伽藍であった。平城京遷都後は、寺院を現在の奈良市内に移転して「元興寺」となったが、飛鳥の法興寺も「飛鳥寺」、また「本元興寺」として存続。ところが鎌倉時代初期の雷火により塔と金堂が焼失、以降寺勢は衰えた。現在はその飛鳥寺中金堂の跡に「安居院」という小さな寺院があり、周りを田んぼに囲まれたのどかな風景となっている。

【飛鳥大仏】

本尊は通称「飛鳥大仏」と呼ばれる釈迦如来坐像で、7世紀初頭の作。鞍作止利が造ったと伝わる日本最古の丈六仏である。幾度もの火災にあって後世の補修が多いが、顔の上部、右手の中央の指3本は当時のまま残されている。本像の置かれる安居院の場所は元々法興寺の中金堂であり、法興寺中金堂の本尊として造立されたこの飛鳥大仏は、1400年の長きに渡りずっと同じ場所に坐り続けているそうだ。


正式名称 安居院
通称 飛鳥寺
宗派 真言宗豊山派
本尊 釈迦如来
所在地 高市郡明日香村飛鳥682
電話番号 0744-54-2126
公式サイト

付帯情報

交通案内 最寄り駅からの交通
近鉄 橿原神宮前駅
東口から明日香周遊バス 飛鳥大仏前下車 歩1分
MAP
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駐車場情報 普通車:500円 20台 ※寺院拝観の場合無料
車椅子による見学
拝観・開館時間 4~9月 9:00~17:30 10~3月 9:00~17:00  (最終受付は15分前まで)
見学所要時間 30分
休日・休館
料金 大人:350円 中高生:250円 小学生:200円
備考